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ウエイファー国立ライブ速報

都会派ブルーグラス、ウエイファー結成50周年を祝う
揺るがぬ桐朋の固い絆、誕生の地 国立で

Img_0229_r Img_0253_r小樽フェスに3年ぶり3回目の出演が決まっているThe Way-Faring Strangersの結成50周年ライブ(5/1、@東京国立・はっぽん)に行ってきた。昨年12月5日の同店以来の公演。めったに顔を見せないので日本のSeldom Sceneとも言われている。開演30分前の18:30にはおよそ40名と満席状態。当夜限りではあるが、扉の禁煙サインがうれしい。ミラーボールのように銀色に輝くベスト着用の5人は、例によりMCなしでいきなりアウトロー・カントリーの傑作Jesse Jamesから始め、Sea Of Heartbreak、When You Kneel At Mother's Graveと一気に3曲。リーダーでMCの近藤俊策(Ma)による全メンバーの健康状態近況報告では、一番若い金子武美(Gi)もアルコール依存症なので全員病気もちと冗談をとばしながら、次はOld Flames(Can't Hold A Candle To You)、先に来日、小樽を含む全国ツアーをしたブルーグラス・トリオThe Tipton Hill Boysの新作CD「Songs We Like」にもカバーされてる名曲だ。Banks Of The OhioのキーはF、近藤のハイロンサムテナーが光る。インストEL Dedoに続くGood Woman's Loveでは4パートハーモニーが美しい。続いてはSteel Guitar Ragをウエイファー・スタイルで披露。リスナーとして参加のスティールギター手習い氏(武田の同級生)へのプレゼント曲でもある。唯一の初代メンバー武田温志のドブロから始まり、マンドリン、バンジョー(萩生田和弘)、ギター、ベース(林京亮)の順でソロをとり最初のドブロに戻る。ブルーグラス・インスト演奏の醍醐味はここにもある。特筆すべきはベースのソロ演奏が、このバンドでは随所に入ることである。続く、Making Plansの絶妙なトリオハーモニーには同席のご婦人たちもうっとりだ。ステージ横には50年前の当時は貴重品だったカントリー音楽のLPを気持ちよく貸してくれるなどウエイファーの強力な支援者、湯川れい子からのお祝いの花かごもある。ボブ・ディランのFare Thee Wellもよかった。I'm Coming Back But I Don't Know Whenを最後に1stセットが終了。

Img_0293_r Img_0316_r客席を見渡すとやはり桐朋高校やウエイファーOBが多く絆の強さを感じる。「母からの便り」を作詞作曲した田村守夫妻、初代ウエイファーの司会を担当した早大アナ研出身の豊田良友夫妻、ウエイファーが所属するPAMFの幹部連の姿も。後半はBluegrass Expressで出発だ。今年の小樽フェスのテーマは鉄道だが、ウエイファーはこの曲をやるのだろうか。Behind These Prison Walls Of Love、This Morning At Nineと進み、オートハープから入る Red River Valley では林がリードボーカル。最愛の妻に先立たれた男を歌うGrave In The Valleyでは萩生田がバンジョーをギターに持ち替えリードを取る。やはりブルーグラス、詞は悲しいが曲調は明るい。歌い終わると“異変”が起こった。たまたま来店したブルーグラスは初めてという男性の目には涙、手には福沢諭吉1枚が挟まれた割り箸。同席のその男性の連れの方が“この人は最近、奥さんを亡くしたんです”とささやいてくれた。萩生田は童顔を当惑させながらも拝受。なにせ、我が国のこの業界はおひねりとは無縁なのでうれしい驚きであった。続くBlueridgeはバンジョーレスで。ボブ・ディランのI'll Be Here In The Morningは熱愛のフレーズがならぶ、日本語では恥ずかしくてとても言えない言葉が・・・と金子。以上3曲はウエイファーがこの日のために練習を重ねてきた新曲である。歌詞カードが配られた。「母からの便り」と「昔ながらのカントリー」、みんなで歌う。作者の田村も口ずさんでいる。エンディングはPanhandle Country、拍手は止まない。近藤が“そうですか・・・アンコールですね”と3曲もサービス。彼らがお手本としてきたCountry Gentlemenの名曲Fox On The Runのカルテット・ハーモニーは圧巻だ。Daydreak In Dixieでは早弾きの競演、疾走感溢れるブルーグラスの真髄がここに。おしまいのA Wayfaring Strangerはブルーグラスでは珍しくマイナーコード、武田もボーカルに参加し5重唱だ。バンド名と酷似したこの曲の存在を、彼らがバンド名を決めた当時は知らなかったという。情報が溢れ入手が容易な今をさかのぼること半世紀、さもありなんの思いを深めた一夜であった。さて、関東の名門ブルーグラスバンドが勢揃いするライブが予定されている。東理夫率いるOzark Mountaineers(立教OB)、Blue Mountain Boys(青学OB)、The Way-Faring Strangers(桐朋高OB)の競演だ。11/22(日)、新宿・Back In Townが待ち遠しい。

文中敬称略 (リポーター:ロイ田沢 2009-5-3)

写真:林 郁二 

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