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2009年10月の投稿

京都・カントリードリーム速報

 小樽フェス連続6回参加のカントリー写真家、山本繁夫(75)氏の熱心なお誘いにより、カントリー音楽がらみでは2回目の京都訪問が実現しました。初回は2007年2月の京都オープリー(以下KO、@府立テルサホール)、今回はカントリードリーム(以下CD,@円山音楽堂)。歯科医のカントリーミュージシャンとして知られる永富研二(68)氏が実質主催する、我が国有数のカントリー音楽イベントの模様をロイ田沢がリポートします。

ケニーズでの前夜祭も満席の熱気

Img_4390s Img_4372s10/10(土) 20:25、ケニーズのハウスバンド、永富研二率いるテネシー5のJacksonでキックオフ。2年前のKOでも聴いたなじみの曲で、父・研二、娘・真梨のデュオボーカルがすばらしい。そういえばこの曲、真梨とナッシュビルで交流があった福森千花(札幌)も小樽フェスで歌っていた。Wayfaring Strangerでは大谷大学ブル研OBのテディ小山のバンジョーも入り、トリオハーモニーシンギングがとてもいい。小樽フェス3回出演のThe Way-Faring Strangers(東京)の得意曲でもあり、同じ曲でもカントリーとブルーグラスバンドの演奏にはそれなりの違いが分かり興味深かい。若手のナガイ(元T5)と東京から来た古橋一晃がエレキギターを弾きながらRambling Feverをハモル。研二も楽しげに唱和。演奏後に、研二が飲み助らしい彼らに“2人とも健康に気をつて・・・”とやさしく送り出していた。なつかしいSouth Of The Boarderをケニー・シアーズがフィドルを弾きながら歌い始めた。ハーモニカのチャーリー・マッコイと真梨がハーモニーボーカルで加わる。20年連続でこのカントリードリームに参加しているマッコイ(McCoy、アイルランド出身であることを自己紹介していた)のハーモニカには、始めての人には驚異に違いない。特製皮ベストの内外のポケットにキー別のハーモニカが収納され、さりげなくキー確認をしながら口元へ。マイクにかぶせるように吹く。曲によっては左右にキー違いを持ち電光石火の早さで交互に吹く。Cold Cold Heartなど数曲披露のあと、ドーン・シアーズが登場すると、チラシ写真のイメージと違うと同席の仲間がささやく。だんなのケニーがきゃしゃなだけに、ドーンの豊満な体型が一際目立つがそれだけに声量も満点。ハーモニーボーカリストとしてもソロボーカリストとしても、申し分ない歌唱である。Danny Boyなどをしっとり聴かせてくれた。ゲストタイムもまた内容が濃いものだった。なかでも盲目の寄下博司のThose Old Love Lettersは感動ものだったし、シン上田がドーンと2重唱したビンス・ギルのヒットソング、Look At UsやオリーブのOnce A Day(ドーンと研二のバックコーラス付)もよかった。Img_4395s 終盤になると話題作Sweet Memoriesをドーンが歌い、永富父娘とオリーブがハーモImg_4388s ニーボーカルをつける。インスト陣、関西No1ペダルステーィル奏者、福田吉晴のソロとケニー&安見勝のツインフィドルと相まって、紫煙けむる客席はわきにわいた。エンディングのOrange Blossom Specialに至ってはウエスタン・スイングフィドラー、ケニーの独壇場と思いきや、どっこいマッコイもキー違いのハーモニカをすばやく切り返しながら“華の超特急”をみごとに表現、鍋田雅己の切れのいいエレキベースなど、リズム部隊も好演した。熊本カントリーゴールドでも前夜はチャーリー永谷の店で同様のライブを行うが、いずれも雌雄つけがたい盛り上がりであった。22:45終演。
 
 Img_4426s ところで、ケニーズは永富歯科医院(案内板には診療開始07:45とある)の2階。国道367、通称烏丸通りと紫明通りの西北角にあり、真っ直ぐ南下すれば京都タワーが目印の京都駅。厳しい建築規制で超高層ビルがないのでタワーがカーナビになる。前夜祭の合間に、永富先生に早朝診療のことをうかがうと、“患者さんには喜んでいただいてる・・・”。早起きのシニアにも何かと便利なのであろう。喫茶店や銭湯もそうだが、京都にはアーリー・バードが多いのかもしれない。

京都は巨大祝祭空間だった
歴史ある野外音楽堂で市長も和服姿で歌姫ドーンと踊る

Img024s10/11(日)晴れ:なんとラッキー、3日続きの秋晴れである。11:00に会場に着くと早起きアイクこと最後の日本兵、谷村翁(85)がゲートの最前列に待機していた。お隣には“東京からの特派員”上田美智子も。彼女はレイ・プライスが来演した1991年以来のカントリードリマーである。ここ円山公園での開催は6回目で2004年から3年連続雨にたたられたが、以降は好天だという。八坂神社裏手にあるこの野外音楽堂は、半円形に配置されたベンチがステージに向かって下る典型的な音楽ホール型ではあるが、昭和初期にできた施設で相当古い。キャパは1,200名ほどか。
 Img026s Img039s いよいよ、第21回カントリードリームの開演だ。近年はKAF(Kyoto Art Festival、9/13-Img_4444s 10/31)の一環として行われており、前日には同会場で南こうせつなどのフォークコンサートがあった。場つなぎピッカー4人が舞台上手コーナーでジャムを始めた。KOでもおなじみのフィドラー内山丘もいる。総合司会、小杉征義(元KBS京都)のオープニングの発声で前座は神戸大のブルーグラスバンド・鳩正宗。後進育成のための起用なのでリスナーには物足りないがやむを得まい。永富研二が舞台に勢揃いした全アーティストを紹介しながら、Y'all Comeを合奏、客席とかけ合いの陽気な歌声が、緑したたる音楽堂に響きわたった。

 本番前半のトップは大阪から来たTexas Rose、黒いスーツとハットの6人編成。Lover Come Back To Meや San Antonio Roseを。続くテナーボイスのシン上田率いるTrackersとバリトン津田実のCountry Clubは毎週末にケニーズで演奏しているバンド。CD初参加のBluegrass Colonels、同志社OGなど女性3名(マンドリン、ギター、フィドル)のボーカルハーモニーが聴きどころ。前半のトリは東京から参加のカントリーロックThe Ma'am、大阪出身の森山公一はBオーエンズの曲を歌ったが、なかなかの迫力であった。場内は座席以外の空間が少なく、カントリーダンスを踊るスペースなどは見当たらない。物販エリアは狭く、トイレも小さい。が、緑に囲まれた野外コンサートなのでピクニック気分は味わえる。

結成50周年、円熟のテネーシー5
相性抜群、Cマッコイとは20年連続共演

Img059s Img066s15:00、後半に入る。結成50周年を迎えたT5、貫禄のサウンドが炸裂した。前夜祭と同じく乗りのいいJacksonからだ。研二が幅広いカテゴリーから美声を届けてくれる。Release Me、My Pony And Me(ライフルと愛馬)、Back In The Saddle Again、ラストダンスは私と、Love Me Tender、随所に真梨やEベース鍋田のハーモニーボーカルがかぶさる。寄下が介護者に伴われて登場した。昨夜と同じ曲だが何度聴いても胸に迫る。研二のテナーハーモニーがさらにこのトニー・コリンズ(Bオーエンズの先輩格)の名曲Those Old Love Lettersを引き立てた。以降、ナッシュビルのミスター・ハーモニカ、CMHフェイマー、CD20回連続出演、今年は和服の門川大作京都市長から文化交流貢献の感謝状も得た黒ハットのCharlie McCoy、ナッシュビルのステーション・インで毎週月曜日(筆者も2002年and/or2005年に目にしている)、ウエスタン・スウイングバンドThe Time Jumpersのリーダーとして歌って弾く、名フィドラーKenny Sears、その奥方でコニー・スミスの再来と言われ、ビンス・ギルのハImg_4452s Img_4454s ーモニー・ボーカリストとしてつとに有名な初来日の正統派カントリーシンガーDawn Searsが次々と熱演を繰り広げるのだが、前夜祭と重複するのでくわしくは省略する。おおとりドーンの終盤3曲はAll Of Meをソロで、DヨーカムのClose Up The Honky Tonksではだんなのケニーと研二が、最後のTennessee Waltzでは研二がそれぞれハーモニーをつける。どれも胸に迫る。すばらしい。フィナレーは全アーティストと客席が一つになって、おなじみ“私に人生というものが”(原曲:Budded Roses)を合唱、陽はすっかり落ち、冷え込みが厳しくなり、時計は6時を指していた。永富研二が強調するカントリー音楽の心、3つのS、Sadness(哀愁)、 Simplicity(素朴)、Sincerity(誠実)を音楽創造都市を標榜する秋の京都でたっぷり吸収させてもらった。
敬称略 (リポーター:ロイ田沢 2009-10-18)

写真:山本繁夫

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