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2010年2月の投稿

モダン・フォーク2010コンサート速報

アラカンで賑わうモダン・フォークの祭典
冷え込み吹き飛ばす熱気

1992年に東京・深川で産声を上げたモダン・フォークの祭典は、一昨年11月の草月会館公演以来1年3ヶ月ぶりに、“古いギターに弦をはろ-”を合い言葉に、モダン・フォーク2010(2/14@中野ゼロホール、主催:PAMF)として開催された。The New Frontierなど11バンドが出た前回より、4バンド少なかったが内容的には各バンドの研鑽ぶりが反映されたのか充実したものであった。カントリーやブルーグラスと、あるいは和製フォークとも一線を画すモダン・フォーク・・・1960~1980代に一世を風靡したキングストン・トリオ、ブラザーズ・フォー、PPM、サイモン&ガーファンクル(S&G)などの演奏スタイル、つまりハーモニー・シンギングを重視し、ギターやバンジョー、ウッドベースなど電気なしの弦楽器(フィドルを使用しないのも特徴)を弾きながら歌い、曲調は全体に爽快であか抜け、ほどほどのスピード感・・・の世界にしばしひたってみた。以下演奏順に。14:00開演、17:15終演

Img_6548_r ★KENT(リーダー:石上巌/左)
昨年11月、結成40周年記念ライブを終えたばかりの勢いに乗り、いきなりアカペラ4重唱から。縦縞シャツに赤タイ、バンジョー、ギター×2、WBの4人編成。MCとギター担当の笹木がお得意のヨーデルを2曲、荒木一郎の曲なども折り込み、エンディングは♪これでおしまいかしまし娘~のパロディで会場を爆笑で包み、無事この日のコンサートの盛り上げ役を終えた。

Img_6603_r ★Mod-ki(リーダー:林 郁二/左2)
おなじみSanfransisco Bay Bluesでキックオフ。フォークバンドには珍しくエレキ・ギターも加え、さらにメタル・ボディのスライド・ギター(林)やハワイ産の8弦テナー・ウクレレ(鳥羽孝)なども駆使した愉快な5人組。1人だけ、あるのにかぶらない嶋崎俊一(Gi)は、残りの4人の帽子を指さしながら何故かぶっているのかと追求したかと思えば、パンフ協賛広告(外食大手)のスポンサーの立場からおいしいチキンの宣伝も怠りない。「母からの便り」の作詞・作曲で知られる田村守の「北風吹くころ」や高倉健主演映画に流れた「幸せの黄色いリボン」なども聴き応えがあった。

Img_6647_r ★Rainy Blue(リーダー:小島常男/左2)
朝4時起きで大阪から参加、オリジナルフォークに特化したバンド。会場売り場では3枚目のCDを販売するなど実力派。青いドレスの紅一点、森野かおりのボーカルをフィチャーして♪アイルランドのような田舎へ行きたい~を手始めに、♪私は風になりたい~など5曲のうち1曲のみ英詞で。ギター2本のほかマンドリンは効果的。歌唱中に多少の字余りが出てくるのは日本語フォークの宿命か。

Img_6654_r ★Weavers Again(リーダー:網代修一/右)
結成2000年。PPMの故マリーをほうふつさせる杉野澄枝の迫力ある女声ボーカルが印象に残る5人組。楽器はバンジョー、ギター、WBと3本のみ。腰を痛めて着座の濱野晃司(Bj)のバリトンのソロからカルテットボーカルに入る最初の2曲もいいが、Miner's Lifeも聞き慣れた曲。モダンフォークの元祖、1940年代に活躍したウイーバーズを再現できるのは世界でも当バンドのみというからすごい。

★約20分の休憩時間に客席を見回してみる。出演陣の大半は61~63歳の団塊の世代、ないしはアラカン(アラウンド還暦)、いきおい応援に駆けつけるファンや友人知人も同年齢層が多い。キャパ550席に対し空席(実入場者数350くらいか)こそ目立ったが、PAMF会長で総合司会も務めた河出卓郎から、“このようなコンサートはやめるのは簡単だが、再開するには多大なエネルギーが必要。熱心なファンの交流の場としても存続させるべきだし、PAMFとしても広報力を更に高め、次世代への啓蒙活動も大切”と、翌日使命感に燃えたメールが寄せられた。自らブルーグラスバンドHillside Travelers(東大OB中心)を立ち上げるなどアコースティック・サウンドへの思いは深い。

Img_6728_r ★The Roving Gamblers(リーダー:安井治武/右)
アコースティック・ライブの殿堂、Back In Town(新宿・曙橋)の支配人でもある安井が率いる、S&Gのトリビュートバンド。まだ60歳代の本家S&Gが昨年来日公演したばかりなのでMCではこの話題も。1965年、高校一年で結成、1999年に再結成。「コンドルは飛んでいく」や「ミセス・ロビンソン」などを即興的に披露した。

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★The Way-Faring Strangers(リーダー:近藤俊策/左2)
1/23の所沢カントリミーティングに続く、今年2度目の公演。1959年からの初代リーダー武田温志は山高帽子をかぶり、ツナギにジャケットとまたも風変わりな衣装で登場。いつもの立ち位置で、Fox On The Runから。2曲目は久々の新曲でThis World's No Place To Live、次のThe Fields Have Turned Brownもそうだが、ブルーグラスの特徴でもある歌詞の内容はさえないのに曲調は明るい。そして、田村守が喝破しているように“モダン・フォークの仲間で育ったからこそのハーモニーボーカル重視”、を象徴する鉄壁の4重唱だ。インストEl Dedoではまず萩生田和弘(Bj)が愛用のRED FOXでソロ、近藤(Ma)が右奥から回り込みソロ、同じ動作で武田 (Do)がつなぎ、林京亮(WB)に引き継ぐ。ワンマイク方式ではよく見られるビジュアル効果満点の演出であった。おなじみ「母からの便り」のあと、ボブ・ディランが歌い有名になったFare Thee Wellをオール桐朋高校OBの中で最年少の金子武美(Gi)のリードボーカルで仕上げ、PAMF会員唯一のブルーグラスバンドがコンサートにアクセントを添えた。

Img_6796_r ★Mash Liquor(リーダー:飯塚精一/左2)
学生時代、キングストン・トリオにあこがれて以来40年。就職後一時解散、10年前に再結成、長身に長尺バンジョーが似合うジョン宮澤、ボブ役は飯塚、ニック役が竹内、WBは三輪富成と不動のメンバー。竹内の日本詞ナレーションに続き、原詩でWhere Have Flowers Goneが流れてきた。この曲をよく聴いていた青春時代に思いを馳せたのか、目尻を押さえるリスナーが何と多かったことか。

Img_6801_r 5時を回ってフィナーレ。安井の先導でPuff, The Magic Dragonが出演7団体とPAMFスタッフが舞台に並び、歌詞カードを手にした観客と一緒に歌う。次回の開催場所と時期は未定とはいうが、この日のバレンタイン・ディのように、永遠のイベントであってほしいと願うばかりである。

敬称略 (リポーター:ロイ田沢 2010-1-15)

写真:藤岡 潔

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所沢カントリミーティングの反響ー追報

電話、手紙、メールでさらに以下のお便りが寄せられました。ありがとうございました。

最近思うのですが、ウエイファーはステューデンツフェスティバルでフォークソングの連中と一緒だったので、コーラスに対する感覚や、そもそもコーラスに対する重心の置き方が、通常のカントリー系とは違ったと言えないでしょうか。カントリー系は楽器がうまくても歌が、リードボーカルはよくてもコーラスが・・・。なかなか天は二物を与えてくれないものですね。(「母からの便り」の作詞作曲者、田村守さん)

わたしも一昨日、高知で有田純弘とレクチャーライブをしてきました。全国各地でいろんな形でブルーグラスなど、ルーツ音楽のプロモーションをされている多くの方々に、改めて敬意を表します。ご苦労様です。(「ムーンシャイナー誌」編集長、渡辺三郎さん)
 
主催者として多忙なことに加え、お馴染みの多くの方々への対応があるし、一方私は始まりも終わりも勝手な時間でしたので、ゆっくりとはお話はできませんでしたが・・・。 ロイさんの思いや、多くの方々との心あたたまる交流の広さを十分感じさせていただいた1日でした。(「カントリーヘブン」実行委員長、ハリー荒川さん)

(米国)ブランソンに戻ってまいりました。来週月曜から(ボールノーバーズ劇場の)リハーサルも始まり、3月5日からは今年のショーも開始です。ロイさんのホームページではすばらしいコメントありがとうございました。小樽フェスに代わり所沢フェスとして今後も末永く続けられることをお祈りします。またの再会を楽しみに。皆様にくれぐれもよろしくお伝えください。(カントリーミュージシャン、マイク伊藤さん)

会場は中ホールの良さがあり、客席からの舞台を眺める角度も前席の頭が邪魔にならず、多目的ホールとしては珍しい設計でした。カメラマンにとっては、舞台の高さも適度で、両サイドからの撮影も余裕があり、聴衆の邪魔になることなく撮影できました。
立ち見が出たのに補助椅子の要求騒ぎもなく、整然とした観客態度はやはり首都圏と感心しました。多数のバンドにもかかわらず、競合曲がなかったですね。
(京都のカントリーライブ写真家、山本繁夫さん)

カントリー音楽祭にハワイアン、珍しい組み合わせですが、箸休め効果がありよかったです。
(前橋のカントリー音楽愛好家、坂井次英さん)

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所沢カントリーミーティングー速報<完>

仲間が増え、親交も深まり・・・
    
交流会が本館講堂で始まった。先着組はすでに喉の渇きを潤している。18:00野村義男の総合司会で佐々木葉子館長の音頭で乾杯。Img_5763s Img_5766s 1996年地域有志の尽力で竣工した、今回5時間コンサートが行われたこの並木公民館・多目的ホールに、これほどの観客が集まったのは前例がないという。当ホール3代目となる女性館長は“カントリー音楽は何とすばらしいのでしょう。聴いていて浮き浮きしてくるし、元気をもらいました。演奏者と観客が一つになり、みんなの和が大きく広がりました”とスピーチ。大半が出演者だが、遠来のリスナーや裏方さんたちも含め、総勢80余名。新製品第3のビール(協賛商品)は飲み放題で、参加者差し入れのワインやバーボンも豊富。昨年まではチャーリー永谷(熊本・カントリーゴールド主催者)がメインバンドとして参加していたカントリーヘブン(4/18@三重県立サンアリーナー・伊勢)の実行委員長、ハリー荒川のプレゼンのあとは、各島々でしばし歓談。やがてアルコールがほどよく回って来たと見え、自薦他薦の“役者たち”が次々と特設舞台へ。トップはBTの北条夫妻がドブロとギターでブルーグラスナンバーを。奥方は本番では出番がなく、ここぞとばかりの熱演。このあたりから筆者もビールとワインがかなり入り、メモなど取る余裕なく演奏の順序は不同となるのでお許しを。ジョージ桑名 がAct NaturallyとOh Lonesome MeをWBの笠原夫妻の伴奏で歌えば、同じくジャック笠島(GCBのフィドラー)はGuitars,Cadillacsを洋風居酒屋の雰囲気たっぷりに歌う。
Img_5769s ウエイファーImg_5777s カントリーダンサー

お待ちかね、WFの5人がステージ衣装を脱いだくつろいだ姿で登場した。本番と代わらぬフル編成で演じてくれるとはファンにとってはもう言うことなし。特に1世代ほど若いブルーグラッサーにとってWFはあこがれのバンド、大いに感動堪能したようす。特に本番では時間がなく
演奏できなかった“ダイナ叔母さんのパーティ”では楽器演奏スキルとハーモニーのすばらしさで、レベルの高さを改めて印象づけた。飛び入り歌手がまた目玉であった。ヨーデラーとしても知られる金子洋明(森山良子などの音楽事務所代表)は、マイク伊藤の持ち歌でもあるColumbus Stockade Bluesをみごとな裏声で、さらに“そうですか~”と言い添え、仮想アンコールに応じてCattle Callと続き、痛風をおして荻窪から電車で足を運んだはずが、実にみImg_5768s 籔内、徳永、ロイ

Kouryuuw グラスカントリーボーイズ

とな歌唱、これもカントリー特効薬のたまものに違いない。さて、炎のピアニスト西村誠(六本木・チャーリーズ店主)の奏でるホンキトンク・ピアノ(講堂常設のアップライト・ピアノ)が流れてきて、OCBのトクさん(徳永)がカウボーイソングの名曲、Tumblin' Tumbleweedsを歌い始め、さらにリクエストに応えてLove Me Tenderを。ドン笠原に促されて、ロイ田沢がTruck Driving Manを同夫妻のコーラス付で歌えば、遠来のケーシー籔内(富山オープリー主催者)は、とても75歳には見えない豊かな頭髪と血色で、西村の伴奏でI Love You A Thousand Waysを情感込めて。同氏は第1回大学対抗OBカントリー大会(2/21@西宮・フォートワース)に関大OBとして出演が決まっているという。他に甲南大、近大、桃山、同志社、そして関東からは唯一赤井長久率いる慶応OBバンドが参加する。東京ではすでに数年前から始まっている大学OBカントリーバンド合戦が関西でもスタートを切る。

Img_5772sジョン大谷、藤井三雄、笹島(右)

19:30、交流会は余韻を残しながら、ジョン大谷の一本締めでお開き。
参加された出演者や一般リスナーのみなさま、会場を提供いただいた並木公民館のスタッフ、受付や飲み物、食べ物の世話をしたカントリーダンスやフラダンスの女性軍、そして音響、照明でお手伝いいただいたみなさまに、改めて感謝いたします。    <完>

敬称略 (リポーター:ロイ田沢 20010-2-1)

写真:山本繁夫、渡辺章

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