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2011年3月の投稿

日大理工系ブルーグラスライブ速報

響きわたる還暦おやじバンド
日大理工系ブルーグラス同窓会

3月5日(土)、アコースティック・バンドのショーケース、BACK IN TOWN(東京・曙橋)でおもしろい組み合わせのライブがあった。日大理工学部系OBの4人組、ポチフカバンド(手塚道夫Gt、深沢好宣Gt、小島孝史Ba、木村高志Ma)が、日大アメリカ民謡研究会(アメミ)の初代会長、林京亮をベース奏者として擁するThe Way-Faring Strangers(以下ウエイファー)と、日大OBの 高橋義郎(Gt&Vo、New Road Mapリーダー)をゲストとして迎える構成である。なお、ポチフカの小島はアメミの2代目会長、バンド名の由来はポチが手塚の学生時代のあだ名、フカは当時からデュオを組んでいた深沢のフカからという。
 
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左から木村、深沢、手塚、小島

  • 18:30定刻、ポチフカのTalk Of The Townでキックオフ。かってこの店で、ビル・クリフトンも歌ったBlueridge Mountain Bluesがトリオ・ボーカルで続く。千葉在住の僧侶、MC小島が“我々は結成してまだ数年、ウエイファーの1/10のキャリアーしかないが、がんばります”と挨拶のあとは、4パートハーモニーでMore Pretty Girls Than Oneを。セイクレッド・ソングのPrecious Lord Take My Handでは職業柄小島がリードボーカル、そして手塚のギターソロには目を見張るものがる。Don't Say Goodbye If You Love Meではまた4重唱。この4人の住居は千葉、埼玉、神奈川、東京と離ればなれなのに、いつどこでどのくらい練習するのであろう、完璧なハーモニーである。ウエイファーを意識したのか、すべて暗譜、譜面台は1台もない。1部の最後はKinfolks In Carolinaでにぎやかに終えた。

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    左から武田、近藤、萩生田、林、金子

    昨年、結成50年を祝ったウエイファー5人男が銀色のベストで登場。おなじみカントリー・ジェントルメンの名曲、Fox On The Runから。萩生田和弘がバンジョーをギターに持ち替えセンターマイク前に出てきた。リードボーカルはベース林京亮でThe Fields Have Turned Brownが続く。MC近藤俊策がウエイファーの過去を振り返る。1950年代後半からの桐朋・中学高校の音楽仲間20数名のうちすでに3名が鬼籍に入った。あと2名ほど行けば天国でバンドができる・・・。次ぎも望郷ソングの傑作Blue Ridge。カルテットボーカルが胸に迫る。禁煙の店内は満席、さりげなくみなの表情を観察すると、大半のリスナーは陶酔状態であることがよく分かる。ウエイファーとしては新曲のGrave In The Valleyのあと、舞台しもが定位置の初代リーダー、ドブロの武田温志がセンターに回り込みLorenaを奏でる、“南北戦争時代、敵味方抜きの兵士のアイドル、ロリーナを歌った曲です”とギター金子武美が解説を添えて。さらに、1980年代スチューデント・フェス華やかなころの(近藤)Long Black Veilが続き、ラスマエは列車強盗で義賊のJesse Jamesを快調に歌い上げ、テーマソングのWayfaring Strangerで最後を飾る。この曲だけにボーカル参加の最年長、武田の目の輝きが印象的だった。

    高橋義郎はレスターを歌う
    闘病中に駆けつけ熱唱

    Yoshiro 高橋

    筆者がサラリーマンのころ足繁く通った、今はないブルーグラス・イン(お茶の水)や1980年代のロッキートップ(銀座)で、当時Virginia Brothersのリーダーだった高橋義郎の演奏をよく聴いたものだが、トレードマークのハット姿のその彼に20数年ぶりに再会できた。“20キロも痩せました”と病をおして日大“同窓会”のステージに上がった高橋は、ウエイファーの近藤(Ma)と金子(Bj)のバックで、先ずはLet Those Brown Eyes Smile At Meから。レスター・フラットに心酔してブルーグラスの世界に飛び込んだだけに納得できる選曲。近藤がテナーでハーモニーをつける。続いてポピュラーなBlueridge Cabin Home。3曲目のSalty Dog Bluesではウエイファー林がWベースで援護し、客席からは唱和の声が聞こえてきた。

    “ウエファーのあとは客席はがらがらと思ったのに、こんなにたくさんお帰りにならずに・・・”と小島が切り出し、ポチフカの2部はおなじみI Wonder Where You Are Tonightから。続いて手塚がNew Moon Over My Shoulderをしっとりと。“あなたに近づくには深い海底の岩にたどりつくほど難しい・・・、と身分の違いを嘆く黒人の歌”(小島)で、スタンダードジャズの名曲でもあるSt. Louis Bluesを深沢のソロボーカルで。ディズニー・ソング、“星に願いを”のインストでは、なぜかベース抜きだ。Deep River Bluesもよかったが、インストBlack Mountain Ragの手塚のギターテクは、おみごとに尽きる。バンジョーレス・バンドでもこれだけのサウンド。House Of The Rising Sun、これもスタンダード・ジャズとして有名。歌がなくマンドリンとギターだけで旋律を奏でるKentucky Waltzも珍しいではないか。小島がまた笑わせ始めた。“この頭は禿ではありません。(僧侶なので)毎朝、剃っているのです・・・”。所沢カントリーミーティングの前身、所沢ニューイヤーズ・ピッキングパーティ(2006年)でも手塚が聴かせてくれたPeach Picking Time In Georgia、彼のギターとソフトで軽やかな歌声に圧倒されたリスナーは多いはず、5年前に比べると円熟ぶりが際立つ。スローバラードSummer Tmeを終えると、アップテンポの男声4重唱で、Jailhouse BluesとThe Old Accountが軽快かつ重厚に店内を振るわす。アンコールでは深沢がソロボーカルでWhen A Soldier Knocksを。エンディングはこれまた心を揺さぶるカルテットハーモニー、Live And Let Liveで締めくくった。楽器編成やレパートリー傾向こそ異なるが、ハーモニーボーカルのすばらしさとすべて暗譜での演奏はウエイファー・スタイルに近いものがある。平均年齢も若く、ますますの活躍を念じてやまない。       

    敬称略 (レポーター:ロイ田沢 2011-3-6)

    写真:二ノ宮和寛

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