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2011年7月の投稿

速報:7/3小樽オープリー

カントリー音楽の灯はともる
第2回小樽オール・オープリー無事終了

小樽唯一のブルーグラス・カントリーミュージック&ダンスの祭典と銘打ったイベントが、ノスタルジック・ポート・シティ小樽で今年も開催されたので、帰省を兼ねて参加した。会場は小樽築港(ウオーターフロント)にある大型商業施設、ウイングベイ小樽(旧マイカル小樽)内の3階、ヲタル座。主催は小樽カントリー&ウエスタンフェスティバル(略称:小樽フェス2004~2009)でステージ・コーディネーターを担当した堺清(トーン・ポエム代表)やディーン柴岡(シンガー・ソングライター、カントリーダンス指導者)の地元ブルーグラスバンドGrass07(小樽カントリー&ウエスタン研究会)である。今年の特色はフラダンサーが加わり、急きょGrass07が“小樽ヒマナスターズ”としてハワイアン演奏にもチャレンジしたことであろう。

Orディーン柴岡の総合司会で13:00開演、舞台背景には星条旗3本のほか南軍旗(コンフェデレーション・フラグ)と日章旗が掲揚されている。トップバッターは札幌の若手カントリーバンドThe RANCH(リーダー:村越伸治)が務めた。小樽フェスでは2008、2009年と連続参加、カントリー歌手・おおの真虎とともに出演した。今年はキーボード工藤順子とエレキギター井上を加え6名編成で、真虎が抜けている。ドワイト・ヨーカムやキース・アーバンものが得意で、村越、大谷隼(Gi)、小野幸一(Ba)のトリオボーカルは会場を圧倒、特にノリのいいGuitars &Cadillacsではカントリーダンサーたちを狂喜させた。全員がまだアラフォー(40歳前後)、北海道カントリー界の星として前途有為の人材だ。大谷の腰のひねりとブーツ・ステップはドワイト風でダンサーたちをしびれさせた。

Ob続くカントリーバンドは道東・北見から自前のツアー専用大型車で駆けつけたBroncos。リーダーの石川寛は東京の大学時代にカントリーバンドを組んでいたこともあり、大御所、寺本圭一と親交が深く、テラケイを招いてのカントリー音楽祭を北見で複数回主催しバックバンドも務め、尾崎紀世彦が出演した帯広コンサートでも共演したことがあるベテランバンドだ。むしろ札幌よりもカントリーダンスが盛んな道東での存在感は際立つ。北見の有力総合病院の要職にある石川にとって、北見市役所OBの細野義昭(Dr)を除く、村山徹(EG)、藤田昌大(Ba)、蔵本めぐみ(KB&Vo)の3名は部下(同病院スタッフ)でもあり、チームワークは申し分なしだ。石川のバリトン・ボイスはジョニー・キャッシュを想起させ、Walk The Line、 Ring Of Fire、Folsam Prison Bluesなどをじっくり聴かせてくれた。Together Againの混声デュエットは珍しく、Jキャッシュ夫妻デュオでおなじみのJacksonでも石川とめぐみの息はぴったりだった。“ロイさんには何度か小樽フェスに誘われながら日程が合わず実現できなかった・・・”と紹介され、筆者はJambalaya とHeartaches By The Numberの2曲を歌わせてもらった。なお石川はFMオホーツクで月1回、地域放送メディアを通じたカントリー音楽の普及にも貢献している。

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Owカントリーダンスに先立ち、かって柴岡がマイク不要の大声でよく笑わせていた“カントリーダンスの欠点は長生きし過ぎること”に今回は触れず、“うまくいくと痩せる場合もある”と控えめな表現でカントリーダンスの効用を述べたあと、これからCD音源で踊るダンサーたちを紹介。先ずは札幌のジャニス・サークルの7名が舞台に立ち、黒の衣装上下に金モールをあしらったおしゃれなコスチュームでブーツを響かせた。2曲目は黒ハット、黒ベスト、黒スカート、赤シャツで決めた14名がHello Dollyに乗せて。次ぎは柴岡が主宰するWild Angels野幌、大麻、厚別、札幌、小樽計5教室の生徒たちの“発表会”だ。CountryWalkで足慣らをして、Honky Tonk Twistでは前列5名の小樽チームが男、女、男(柴岡)、女、男の配列で切れのいい踊りを展開したが、衣装がばらばらだったのが惜しまれる。Route 66やAcky Breaky Heartが流れる中、軽快なステップが続いた。後者では客席両翼が結構広く格好な踊りのスペース、一般ダンサーも気軽に初心者向け振り付けのElectric Slideを楽しんだ。

Oha初参加、小樽Plumeria Hula Group(主宰:篠宮武子)の時間がきて、舞台下手奥にフラを下げたOtaru Himana Stars(Grass 07のハワイアン・バージョン)が並ぶ。上手にはひょうたん打楽器(イプ)を手にした女性3人、竹製のスティック(プイリ)2本を待った8人のフラダンサーは中央に。計11名がハワイ語で呪文のような感じの歌を歌いながら、打楽器だけで踊る。続いてポピュラーな“カイマナヒラ”を柴岡がソロ(ハーモニーがほしいところ)で繰り返し歌い、堺のマンドリンカットがウクレレ風に軽快に響く。スチールギター代わりがドブロ(チャーリー佐々木)となる。舞台のドラムセットの上にはファンが持ち込んだハワイ州旗が飾られた。バンド演奏で2曲を踊り、CD音源で8人がグリーンの衣装で、そして白シャツとイエロースカートの5人と入れ替わり、最後はアロハオエを13人全員で。アメリカの50番目の州、常夏の島ハワイの音楽は癒し効果満点で、カントリー音楽
の祭典では一服の清涼剤、箸休めとしても有効だ。

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10分の休憩を挟み、ブルーグラスの部へ。北大ブル研現役5人組、水たまヤクールツ(リーダー:フィドル門脇花子)。最近の学生ブルーグラスのバンド名は日本語が多く、難解だったり、戸惑うネーミングが少なくないが、このバンドも例外ではない。ヤクルト転じてヤクールツ、元気印をイメージしたようだ。3名が女子学生。バンジョーの八山雄太以外は全員コーラスに参加。Fox On The RunやゴスペルWhere The Soul Never Diesに続き、Nine Pound Hammerでエンディングを飾った。昔ながらのワンマイク方式で、マンドリンの杉森真太は音域が広く、ボーカリストとしても将来が楽しみ。なお、ギターの高津那実子は2008年の小樽フェスにStar's Dream として参加していたので期せずして再会できたのがうれしい。ベースは吉田有里。なお、1975年創部の北大ブル研は現在部員60名、20バンド。今年は1年生が23名も加入したため活気があふれているという。

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北大ブル研OB、高瀬洋平率いるWingrass(結成2005年)がアロハシャツ姿で舞台に。今回は都合でマンドリンとドブロを欠くが、いずれにせよ小樽フェスもふくめ連続6年出演である。高瀬夫妻(洋平Ba、美砂Gi)、増田健司(Bj)、広吉直樹(Fi) 不動の4人は、洋平の“早いものであと2曲しか、いやつまらないと思う人には長すぎるのかな”など、要所で軽妙なMCを交えながら全7曲を披露したが、洋平・美砂の夫婦デュオで歌ったクラシック・カントリーの名曲My Heart Skips A Beatのブルーグラス・バージョンはよかった。トリオボーカルで快調に飛ばしたFree Wheelingも印象に残った曲だ。彼らの根城だった札幌の老舗ライブハウスANYWAYが今春閉店となったものの、道内各地のフェスやライブハウスでの旺盛な活動を通じて、北大ブル研の後輩たちにはよき先輩として好影響を与えている。

Og16:40、ホストバンドGrass 07が白ハット、白シャツ、赤タイとクールな衣装で登場。マンドリンの初山峻彦が退団のため、堺がフィドルと兼務している。MC柴岡が”我々のバンドは早いのはだめ、遅すぎるのは間がもたない・・・”、“歌詞を覚えられないので譜面が必要、メガネも必要”、“結成2007年、4年でうまくなってるのか、それとも老化の進行で・・・”など冗談半分のトークで客席を和ませる。Salty Dog Bluesからキックオフ。 曲が早いので英語の歌詞を正確に発音するのはネイテブでも難しいはず。When My Blue Moon Turns To Gold Again 、Sweetheart You've Done Me Wrongと続き、ラスマエはチャーリー佐々木(Do)が自作の日本詞で“流れよ我が涙”(原曲:Tear Drops On My Cheek)を甘いハイテナーで歌い、エンディングは市内街宣放送でも流れる“小樽ワルツ”(作詞作曲:柴岡好人)で締めた。ドック太田(Bj)、コールマン齋藤(Ba)加えた5人編成、65歳の手習いでマンドリンを始めたタック初山が抜けたのは痛いが、地元小樽にこのブルーグラスバンド健在の限り、小樽オープリーは永遠なりと期待したい。

Ofグランドフィナーレではブルーグラスの楽器編成で、出演バンドメンバーが全員舞台に出てI Saw The Lightを歌うも、この種フェスの課題なのだが客席はまばらだった。ともあれカントリー2バンド、ブルーグラス3バンド、カントリーダンサー、フラダンサーによる4時間半のアメリカ音楽とダンスの祭典は閉幕した。3.11の影響で観光客が激減した観光都市小樽ではあるが、カントリー音楽でいささかでも街を元気づけることができた意義は小さくない。企画運営に参画された地元諸兄のご苦労に心から敬意を表したい。総入場者数約120名、会場キャパ(126席)の関係で前宣伝を控えたのか一般リスナーは少なかった。次回は3周年、7月1日(日)予定。

敬称略 (リポーター:ロイ田沢 2011-7-7)

写真:ケート久保、ディーン柴岡D

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