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ウエイファーとフロッギーズの競演

BITオープン10周年記念
ブルーグラスとモダンフォーク、ベテラン2バンドが競演

開店10周年を祝うアコースティク・ミュージックのショーケース、Back In Town (東京・曙橋)では、その記念コンサートが続いているが、昨夜(11/9)はブルーグラスの名門、ウエイファー(The Way-Faring Strangers:リーダー近藤俊策)とモダンフォークの雄、フロッギーズ(The Froggies:リーダー小山光弘)が熱演した。フロッギーズの結成は明星高校時代の1962年なので、ウエイファーが桐朋高校時代に産声を上げた3年後のことだ。ブラザーズ・フォーやキングストン・トリオなどが日本のフォークシーンを席巻し始めたころだ。そんなわけで、今回のコンサートにはPAMF(Players Association of Modern Fork:会長 河出卓郎)の関係者の姿も少なくない。

Img_8756_r19:30:キックオフはフロッギーズから。Mighty Mississippiで軽快に飛ばす。ギター2本(小山、小池順一)、Wベース(渋谷正人)、バンジョー(&ギター、土岐純夫)による歯切れのいいアコースティク・サウンドが響きわたると100名近いリスナーで満席の店内は一気に半世紀前にタイムスリップ。顔ぶれをみると大半が50~70歳代、1960年代に東京で華やかに繰り広げられていたスチューデント・フェスティバル(SF)を懐かしむ人たちも多い。毎週土曜日を練習に費やしているだけあり、彼らのカルテット・ボーカルは流麗だ。“ウエイファーには足を向けて寝られない”(MC小山)と先輩バンドに敬意を表しながら、For Bobby とMidnight Specialの3曲のみで切り上げウエイファーにつなぐ。

Img_8846_r19:45:ホテルのボーイさんを連想させる黒ベストのウエイファーは山岳遭難を歌ったMatterfornからスタート。金子武美(Gi,Bj)のリードボーカルに近藤(Ma)と林京亮(Wb)のハーモニーがかぶさる。続くBlue Ridgeではバンジョー・レスで萩生田和弘(Bj,Gi,Ah)を加えた4パート・ハーモニー。初代リーダーの黒ハット武田温志以外はすべてソロをとりコーラスもできるのがウエイファーの強みである。楽器演奏力は遜色ないがボーカルとハーモニーがいまいちとされる我が国ブルーグラスの中で、言語と文化の彼我の差を乗り超えるのは至難なのかもしれない。When You Kneel 、Old Flames 、Little Sparrowと続き久々の新曲披露はI Never Will Marry 。そしてCopper Kettleのあと、お待ちかね2名のゲスト・シンガーが呼ばれた。元Caslte &Gateのメンバーで飲料大手役員を最近リタイアしたばかりの田村守とSFを仕切っていた金子洋明だ。Img_8864_r 珠玉の名曲“母からの便り”(作詞作曲:田村守)がキーGで萩生田のオートハープから始まる。バース1番を金子、2番を田村が歌う。ギター金子武美のGランが効果的に入る。いつ聴いても目頭が熱くなる美しい曲。“(舞台から下りてもいいはずの人が)ね、まだいるでしょう”とMC近藤が金子を見ながら、お得意のヨーデルソングColumbus Stockade Bluesをうながす。終わればやんやの拍手の中“そんなに高い声をだして・・・、脳溢血に気をつけて”とまたまた近藤の軽口が客席を笑わせる。Img_8897_r 続いて田村がブルーグラスを2曲歌った。客席には美実子夫人と令嬢の姿も。This World No Place To Liveはカントリー・ジェントルメンもので、学生時代にウエイファーが歌うのを聴いて衝撃を受け、歌ってみたかった曲という。2曲目は萩生田が強くすすめたSome Place Far Away。珍しくギターを手にした近藤と林とのトリオで披露。リハでは声がうわづり気味だったとの声もあったが、“40数年ぶりの大舞台でさすがに緊張したが、気持ちよく歌わせていただいた”と本人からメール。田村・金子ショーの締め括りは田村自作の“おはなし”、近藤と林のコーラスがうまく溶け込み味わい深いトリオ・ボーカルとなる。この曲と“母から~”、“チャペルの鐘の音”が田村守のベスト3といわれている。インストEl DedoではWベースのソロが光った。聴きなじみのあるFare Thee Wellのあと、バンド名にふさわしい Img_8923_r A Wayfaring Strangerでいつものようにエンディングを飾った。

Img_8946_r21:15:再びフロッギーズのステージが始まる。こんどはオレンジ色のシャツとベージュのパンツの舞台衣装でぴしりと決めGolden Bellsから。Brandy Wine Blues、Malaika(アフリカ語で天使の意味)と続く。その次の“コキリコの唄”は1967年に全国ヤマハ軽音楽大会での優勝曲だ。ここでMC小山がアナウンス、同バンドが選んだフォーク全66曲(CD3枚1セット)とフロッギーズのCDをリスナーにプレゼントするという。PAMF会員バンド、KENTの石上巌の音頭で希望者同士のジャンケンが行われ勝者に配られた。おなじみ“鉄腕アトム”が流れ、ブラフォーのFour Strong Windsが続く。 ハワイアンもいいものだ、On A Little Bamboo Bridgeが聴けるとは思わなかった。バージニア州にある国立公園の名を冠したShenandoarの次は、“最後の曲となりましたが、もしかしてアンコールがあるかもしれない・・・”と小山がつぶやく。洗練され軽快なJordan Riverが終わると案の定アンコールの嵐。ルイ・アームストロングのヒット曲What A Wonderful Worldで応えたが、東日本大震災被災地への応援歌でもあったのか。Img_8970_r フィナーレは出演者全員が舞台に上がりSFのテーマ曲(武田談)“今日の日はさようなら”をみんなで歌う、勢いに乗り金子洋明のリードでShe'll Be Coming Down、Mountain Dew、I Saw The Lightも飛び出したが、雅子夫人の付き添いで客席にいた豊田良友が呼ばれ、なめらかな口調でクロージングコメント、SFの名司会ぶりをみごとに再現した。22:30終演。
なお、来年1/28に所沢市並木ホールで開催される新春所沢カントリー音楽祭2012・第5回所沢カントリー・ミーティング(TCM)にはフロッギーズが再演する。
敬称略 (リポーター:TCM代表 ロイ田沢 2011-11-10)

写真:林郁二

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